スター誕生(マラウィ編) | アフリカ大陸リアルタイム旅日記

アフリカ大陸リアルタイム旅日記

アフリカ大陸を彷徨うバックパッカーが、旅の様子をリアルタイムに報告します。

タンザニアからマラウィへと入国し、現在は首都のリロングウェにてザンビア入国の準備中。と、言ってしまうとあっけないんだけど、マラウイではリヴィングストニア、ムズズ、ンカタベイ、そしてリロングウェと既に4都市に滞在し、もう十分満喫した。この国は特筆すべき見所は無いんだけど、人々がフレンドリーで、治安もアフリカにしてはまずまずなので、けっこう落ち着ける。そういうわけでこれといったハプニングもなく、ブログに書く事も無いなあなんて思っていたら、そういえばンカタベイという街でこんなことがことがあったのを思い出した。

ンカタベイという街はマラウイ湖畔の小さな田舎町なんだけど、きれいなビーチと、リゾートチックなゲストハウスが数件あるので、白人バックパッカーにすごく人気がある。僕が滞在していた宿もいつも西洋人でいっぱいだった。というのも、この宿のバーが湖に面したオープンテラスになっていて、すごく洒落ているから。バーからのレイクビューは最高で、まさに白人好みで、まるで映画のなかの風景のよう。実際に何かの撮影に使ってもいいんじゃないかと思っていたら、なんと滞在三日目にこのバーが本当に撮影に使われているのを目にした。

宿の従業員に尋ねたところ、なんでも「デイブ・カンパラ」という地元で人気の黒人ミュージシャンの、新曲プロモーションビデオの撮影だそうで、そのミュージシャン以外にもカメラマンやらバックダンサーやらスタッフやらが宿に沢山やってきて、それはもうすごい騒ぎだった。

僕はそのときヒマだったので撮影の様子を見学していたのだが、そうしていたら撮影の合間にスタッフのひとりが僕のところにやってきて

「君、ダンスできる?」

と、訊いてきた。まったく愚問である。こう見えても僕はかつて「フォークダンス界の貴公子」と言われたほどであり、六本木のクラブで「マイムマイム」を躍らせれば僕の右に出る者はなく、そんな僕だから当然

「(フォーク)ダンスは得意だ。」

と、答えたところ、何故だかわからないがあれよあれよという間にハナシが進み、そのビデオに出演することになってしまった。普段はキチンと事務所を通していない依頼は全て断るようにしているのだけれど、まあここはアフリカだし、おそらくは特別出演の扱いだろうから、バックダンサーかなんかでそれほど露出することもあるまいと思って軽い気持ちで承諾したのだ。



そして撮影再開、僕の立ち位置はというと・・・


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・・・・・なんと、ミュージシャンの真横だった。


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・・・・・ハッキリ言ってほとんど準主役の位置である。



それからカメラを目の前にして自分が何を踊っていたのか、自分でもよく覚えていないんだけど、まあとにかく、

現在アフリカにいて、デイブ・カンパラというミュージシャンの新譜のミュージックビデオを見る機会に巡り合った方は、是非そこに東洋人が出演していないかどうか確認してください。仏様のような表情でダンスを踊っている、スーパーバックパッカー風の男性がみつけられたら、それが僕ですので。(アフリカのいろんな国のテレビで流れるそうです。)


あっ、そういえば出演料もらわなかった・・・。